このように私たちは、日本企業のよさをスポイルするような形で、安易に、あるいは拙速に成果主義を導入することには、むしろ反対の立場をとってきました。
たとえば、次のような例を挙げればよいでしょうか。
アメリカでは人事制度に成果主義を採り入れることはもはや常識ですから、在米日系企業からも、その導入についてさまざまな依頼を受けます。
ところが、そうした企業の経営者や人事担当の方々、あるいはローカルスタッフの人たちからお話をうかがっていると、「成果主義導入以前の問題」が見えてくることが少なくありません。
そんなとき私たちは、「それ以前の問題」の解決を優先してきました。
「それ以前の問題」とは、たとえば成果主義の導入に最低限必要な制度やツールの不備であったり、日米の勤労意識や文化・習慣・法制度の違いによる相互不信であったり、日本流マネジメントに起因するローカルスタッフとの軋蝶であったりします。
こうした場合、私たちは、日本的経営のよさを採り入れつつ制度やツールを改正したり、必要な場合は全駐在員を対象に、部下(主にローカルスタッフ)に対するマネジメントの基本を教えてきました。
企業の環境を十分に整えてから、成果主義制度の導入に移るわけです。
少し回り道をしてでも、経営者・駐在員・ローカルスタッフの相互理解と信頼を形づくることこそ、成果主義が効果的に機能するための前提だと考えるからです。
と同時に、成果主義を採り入れてそれを上手に活用することが、社内でのコミュニケーションの機会を増やし、ひいては社員のやる気の促進にもつながることを示し、そのサポートも行ってきました。
「魅力ある会社」をつくるのが成果主義の目的こうしたやり方をするのは、私たちのコンサルティングの目的が、成果主義の導入そのものではないからです。
私たちのゴールは、「社員一人ひとりが生き生きと働くことで会社全体の生産性が高まり、それが業績の向上に結びつくようなカルチャーをつくる」ことにあります。
いうなれば、社員が「早く金曜日が来ないかなあ」と思いながら仕事をいやいやこなしているような会社から、「月曜日だ。
さあ、今週はあの仕事を仕上げて、早く次の仕事にとりかかりたいな」とわくわくしながら出勤するような会社ヘー。
私たちは企業がそんな変身を遂げるためのお手伝いをしたいと思っています。
この方法はいろいろありますが、ここでは私たちがアメリカで実際に行っている「TGMセミナー」の内容をご紹介していきます。
「TGM文化」こそ、優秀な人材を引きつけ、持てる能力を存分に発揮させ、転職なども考えさせないそんな「魅力ある会社」づくりの根幹となるものだからにほかなりません。
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